由布院と湯布院
大分県の『由布院』、『湯布院』どちらが正しいのか。
どちらも間違いではないようでうす。
『由布院』の地名の由来はいくつかの説があるらしいが、現地のガイドさんの話では、この地域に自生するミツマタが自生し、これを材料に木綿が作られ、木綿(ゆふ)の里と呼ばれるようになったらしい。当初木綿(ゆふ)と呼ばれていたが、律令時代になると郡名としては好ましくないということで、「柚富郷」と名付けられた。さらに平安時代に入り和名抄により「由布郷」と改められて現在に至る。
また、「院」は奈良の正倉院などと同じく、中央政府が租税を貯蔵するための倉庫がある所をいい、本来は群に一つの「院」が置かれるのが原則であるが、僻地の場合特別に分院が置かれることがあり、由布の地にも院が置かれたことからついたものらしい。
ところで『湯布院』は昭和30年に由布院町と湯平町が合併した地名である。
厳密にいうと、湯平町を含む場合は「湯布院」、含まない場合は「由布院」になる。
例えば、大分自動車道の「ゆふいんインターチェンジ」は「湯布院」、JRゆふいん駅は「由布院」という風に表記が違っている。
《由布岳 標高1583mの活火山。豊後富士とも呼ばれる。万葉集には「木綿山(ゆふさん)」という文字が見える。》
《由布の由来になったというミツマタ》
《由布岳のふもとの「金鱗湖」から湧き上がる水》